志學館大学 大学院 心理臨床学研究科の教授・山喜 高秀 (やまき たかひで) 先生が6月8日〜9日に来島され、サランセンターにて職員研修が行われました。
研修の後、短い時間でしたが、山喜先生に表題のテーマでアドバイスをお聞きしました。
―お母さん(=サランセンター利用の子どもの保護者)と面談して感じることのひとつに『学校不信』というワードがあります。学校との上手な付き合い方について、アドバイスをいただけますでしょうか。
山喜先生(以下、敬称略):そうですね、お母さんが学校側から責められていると感じている場合、学校不信になりますよね。
学校は自分の子どもを一緒に育てている協力者じゃないわけだから、基本的には学校と手を繋ぎ合って協力して育てていければいいんだけど、その協力関係が上手く持てないことが学校に対する不信感になっていくんだろうな、と思います。
その時に大事なのは、学校がなぜそういう立ち位置でお母さんを責めるのかというと、学校がその子どものこと(※特性)を完全には分かっていないからなんです。だから、その子どものことを分からない学校の先生方がお母さんに伝える言葉は、当然お母さんには届かないですよね。
そうすると、サランセンターの担当職員が学校とお母さんを繋ぐ必要があります。
その時、どちらか一方の側に立つのではなくて、双方の関係を繋ぎ直さなければいけないわけです。
まず、我々がお母さんから子どもの育て方を共有してもらい、ちゃんとした見立てを整えることをしなければいけません。
— お母さん的には、どのようなルートで子育ての悩みを学校に届ければいいのでしょう?
山喜:その場合は、サランセンターの職員に依頼すればいいんですよ。「私(=お母さん)の願い事を学校に伝えてほしい」と言ってくれればいいんです。
そうしたら、学校側もお母さんの許可をいただいたということで、その子どもについて、直で我々に相談することが可能になるんですね。
お互いが求めることが分かったら、まず片方ずつ擦り合わせをして、双方納得できた後に、お母さん・お父さんと先生方、そしてサランセンターの職員とが一堂に会する話し合いの場を設ければいいんです。
— 学校と保護者の2者間で直に話し合わない方が上手くいくんですね。
山喜:そうですね。我々が間に入ることが重要なんです。
— お時間を頂き、ありがとうございました。
以上、短いインタビューでしたが、要点は伝わりましたでしょうか。
子どもの学校生活での困りごとがあれば、また、学校側がお母さんの依頼に理解を示してくれないと感じることがあれば、まずは担当のサランセンター職員にご相談ください。